Google Cloudを活用したアプリケーション開発 / センティリオンシステムの伴走サポートで内製化を実現
プロジェクト背景
バドミントン事業への注力と簡易システムの開発
ミズノ株式会社では、自社の強みを活かしたデジタル活用を進める中で、バドミントン事業の成長を支える仕組みづくりが求められていました。競技用ラケットの販売において、顧客に対してより最適な製品提案を行うには、現場スタッフの知識に依存せずとも納得感のある選択を支援できるツールの整備が不可欠でした。そこで最初のステップとして、社内の情報システム部門主導で、VBAによる簡易的なレコメンドツールを開発。一定の成果を挙げつつも、操作性や共有性、運用の柔軟性に課題があり、本格的なWebアプリとしての再設計と内製開発が視野に入ります。

アプリケーションの開発基盤に Google Cloud を選定した理由
ミズノが次に検討したのは、こうしたアプリケーションを内製で開発・運用していくための適切なプラットフォーム選びでした。求められたのは、システムとしての拡張性や運用のしやすさはもちろん、社内開発チームが初学者からでもスキルを積み上げやすい学習環境であること。これらの要件を踏まえ、ミズノは Google Cloud を選定。将来的に AI やビッグデータの活用も想定できる柔軟な構成と、開発者フレンドリーな環境が評価されました。
なぜセンティリオンシステムを選んだのか
数あるパートナー企業の中でセンティリオンシステムを選んだ理由
Google Cloud 上での開発にあたり、ミズノは「Google TAP」と呼ばれるアジャイル型ワークショップに参加しました。これを契機に、開発初期から伴走し、社内チームの育成とアプリケーションの完成までを一貫して支援できるパートナー企業を探すことになります。その中で出会ったのが、センティリオンシステム株式会社です。複数の候補の中でも、同社は現場の課題理解に時間をかけ、実際に販売店舗に足を運んで業務の空気感を体感したうえで、丁寧に提案を行ってくれた点が大きな信頼につながりました。「外注」ではなく「共創」に近いスタイルで、ミズノの内製体制づくりに寄り添ってくれる姿勢が、センティリオンシステムを選定した決め手となりました。

センティリオンシステムが何をしたのか
センティリオンシステムの内製化サポート
センティリオンシステムは、アジャイルな開発プロセスのなかで、設計段階からミズノチームに並走しました。Google Cloud 環境の構築支援に加えて、フロントエンド/バックエンド双方の実装指導、コードレビュー、設計ディスカッションなど、社内チームの育成と開発の両立を徹底。単にシステムを“作る”のではなく、ミズノ側が“作れるようになる”ことに重きを置いた支援が特徴です。


Google Cloud を活用したラケットレコメンドアプリのアーキテクチャ
完成したアプリは、タブレット上で顧客がいくつかの質問に回答するだけで、最適なラケットを複数提案するレコメンド機能を備えています。QRコードによる結果の持ち帰りや、スタッフによる説明を支援する画面設計など、現場のリアルなニーズに即した設計がなされています。システムは Cloud Run、Firestore、BigQuery などをベースとした構成で、シンプルかつ拡張性を兼ね備えたアーキテクチャを実現しました。


どんな結果に至ったのか
ラケットレコメンドアプリを開発したことによる効果とメリット
2025年2月から東京・大阪の直営店舗でアプリの試験導入が始まり、わずか2か月で300回以上利用されるなど、現場への定着が進んでいます。実際にアプリを通じて製品購入につながった事例も確認され、接客支援ツールとしての有効性が実証されつつあります。さらに、今回の内製開発を通じて、ミズノ社内には「自分たちで作る」文化が根づき始めています。プロトタイピングや部署間連携が活性化し、スピード感のある開発体制の土台が構築されました。今後は、今回の取り組みをベースに、他競技・他製品への展開、さらには海外市場や Vertex AI を活用した次世代サービスの検討も進められていく予定です。
