クラウド電子カルテ事業「きりんカルテ」を Google Cloud へ移行、属人化が進んだ旧インフラにガバナンスを効かせる
プロジェクト背景
信頼性と効率性を両立するインフラ基盤を目指して
ウィーメックス株式会社は、PHCグループの一員として、医療DXに挑むクラウド電子カルテ『きりんカルテ』を展開中です。2021年に事業を譲渡され、その後クラウドサービスで運用していましたが、旧インフラの属人化と運用コストの増大が課題となり、信頼性と効率性を改善するためGoogle Cloudへの移行を決断しました。
なぜセンティリオンシステムを選んだのか
内製化を実現するための決断
ウィーメックスは単にインフラ構築を依頼するのではなく、“社内に知見を残す”ことを最優先に考えていました。そのため、センティリオンシステムには本番環境構築の補助から、技術面の相談・伴走までを行い, インフラエンジニア育成にも力を入れてもらう体制を選びました。
センティリオンシステムが何をしたのか
Google Cloud を主軸として、次世代医療データプラットフォームを構築
クラウド電子カルテの移行にあたり、センティリオンシステムは既存システムの課題を分析し、運用コスト削減・操作自動化・監視体制の整備を目的としたインフラアーキテクチャを設計・構築しました。特にコンテナ化を見据えた構成、Cloud Buildによる運用自動化、Terraform+AnsibleによるIaC推進などにより、安定性と拡張性を両立させました。
ネットワークの最適化
各クリニックに配布されるクライアント証明書を元に、シームレス且つ保守性の高いネットワーク構成へと刷新。サブシステム間の接続をコンテナ化前提の構造へ移行しました。
運用業務の Cloud Build化
従来手作業だった運用業務も、Cloud Buildのトリガ設定で自動化され、標準化された運用フローが作られました。センティリオン主導の勉強会によりドキュメント化も進み、属人化を防ぐチーム体制が整備されました。
内製化のためのスキルトランスファー
ステージング環境構築から負荷テスト、アプリ改修まで、システム運用全体を自社主導で担える体制が構築されました。本番環境の設計・構築はウィーメックス社内が主導し、技術課題の都度センティリオンへ相談しながら進行したことで、社内技術力が大きく向上しました。

どんな結果に至ったのか
内製化を推進する施策によって得られた効果
移行後、運用保守の主要部分が自社内で完結するようになり、属人化が解消。技術的な基盤と人的リソースの両立が実現しました。Cloud Build化やIaC化の恩恵により、迅速かつ安定した運用体制が構築されました。また、勉強会やドキュメント共有を通じて、チームのナレッジが蓄積され、運用の再現性・透明性も確保されました。
1.運用コストを下げたい
2.旧インフラの属人化を改善したい
3.インフラエンジニアを育成したい
この3つのポイントを中心に、提案と学びの場を十分に設けてもらえた。結果として、信頼体制が強化されたことを実感しています。
今後の展望
この成功を足がかりに、ウィーメックスではGoogle Cloudの導入範囲を他プロダクトやウェルネス事業へと拡大し、IaC基盤の横展開による効率化を進めていく方針です。『きりんカルテ』で培った技術と体制は、次世代の医療プラットフォームとして、さらなる進化を遂げようとしています。
