2025年10月14日

【3ステップでわかる】Google Cloud 料金の見積もり方法|公式ツール活用とCUD割引でコスト削減のヒント

技術ブログ

はじめに

Google Cloudの料金は従量課金制です。コスト把握予算管理が成功の鍵となります。弊社センティリオンシステムは、複雑な料金体系の最適化(CUD、リソース適正化、ストレージクラスの使い分け)と、請求代行(請求書払い)で、お客様のコスト管理と予算策定を包括的にサポートします。

Google Cloud料金の仕組み|従量課金制と料金見積もりツール

従量課金制とは?主要な課金要素

Google Cloud の大きな特徴は、初期費用や解約金がなく、利用したリソースやサービスに応じて料金が発生する**「従量課金制」**です。
主なサービスの課金要素は以下の通りです。

特にネットワークは、クラウドからインターネットへのデータ転送(アウトバウンド)に課金が発生することが一般的であり、大容量のデータを扱うシステムでは、この通信量を事前に把握しておくことが重要です。

料金見積もりツールの重要性

従量課金制を採用しているクラウド環境において、料金見積もりツールは不可欠です。

  • 予期せぬ高額請求の防止: 料金の目安を把握することで、想定外のコスト増を防ぐ対策を事前に講じることができます。での支払い代行を提供しているため、関心のある方は問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。
  • 予算策定と承認: 事前にコストを可視化することで、システムの構築・運用にかかる総額を把握し、社内での予算策定や承認プロセスをスムーズに進められます。
  • コスト管理と最適化: 複数のサービスや構成を比較検討し、最も費用対効果の高い構成を選択するための判断材料となります。

Google Cloud 料金見積もり方法を3ステップで実践!

Google Cloud の料金を見積もるには、「要件の明確化」「構成図の作成」「料金計算ツールの使用」というステップを踏むことが重要です。これらを以下の3ステップに統合して実践しましょう。

ステップ1:利用サービスとリソースの洗い出し

まず、構築するシステムに必要な要件とリソースを具体的に洗い出します。

システム要件の明確化:

  • 可用性: どの程度の冗長性(複数のゾーン/リージョンの利用)が必要か。可用性を高めるほどコストは増大します。
  • セキュリティ: 満たすべきセキュリティ要件を満たすための追加サービスや設定(例:VPN、セキュリティサービス)の要否。
  • ネットワーク: 想定されるユーザーアクセス数やデータ転送量(特にアウトバウンド)を概算する。

利用サービスとリソースのリストアップ:

  • 利用するサービス名(例:Compute Engine, Cloud Storage, BigQuery)を明確にします。
  • 各サービスで必要となるリソースを具体的に決定します。
    Compute Engine: インスタンスタイプ、CPU数、メモリ、台数、稼働時間
    Cloud Storage: 総容量、アクセス頻度、ストレージクラス
    BigQuery: データ処理量(クエリ)、保存データ量
  • ロケーション(リージョン/ゾーン)を決定します。Google Cloudの料金はリージョンによって異なるため、利用するロケーションの選択は重要なコスト要因となります。

ステップ2:公式料金計算ツール(Google Cloud Pricing Calculator)の活用

ステップ1で洗い出したリソース情報を元に、Google Cloudが公式に提供しているGoogle Cloud Pricing Calculator を活用して試算を行います。

  • ツールの起動とサービスの選択: 料金計算ツールを開き、Compute Engine、Cloud Storage、BigQueryなど、利用するサービスを選択して追加します。
  • リソース情報の入力: ステップ1で決定した各種リソース(リージョン、CPU、メモリ、ディスク容量、データ量など)を正確に入力します。
  • 試算結果の確認: すべての情報を入力すると、月額コストが自動で計算され表示されます。
  • 複数のシナリオでの試算: 開発環境と本番環境、あるいは異なるインスタンスタイプでの比較など、複数のシナリオで見積もりを作成し、結果をCSV形式などでダウンロードして管理することが推奨されます。

ステップ3:料金モデルの選択と最適化の検討

最後に、算出した見積もりを最適化するために、より有利な料金モデルを検討します。

  • オンデマンド料金: 基本となる料金モデルで、利用した分だけ時間単位で支払います。柔軟性が高い反面、コストは最も高くなります。
  • コミットメント利用割引(CUD): 1年間または3年間の長期利用を確約(コミット)することで、大幅な割引が適用される料金モデルです。常時稼働する基盤系リソース(Compute Engine, Cloud SQLなど)に適用することで、大幅なコスト削減が期待できます。
  • 無料枠の活用: Google Cloudが提供する「Always Free」(永久無料)枠や、新規ユーザー向けの無料トライアルクレジットを有効活用することで、学習や小規模環境のコストを抑えることができます。
  • フェーズごとのコストの考慮: 開発フェーズでは、本番環境の50%〜70%程度にリソースを抑えるなど、各フェーズで必要なコストを切り分けて整理することが重要です。しながら Google Cloud 料金の見積もりを進めれば良いのか、ステップごとにわかりやすく解説します。

Google Cloudコストをさらに削減するためのヒント

長期的にGoogle Cloudを賢く使いこなすためには、継続的なコスト最適化(FinOps)の取り組みが不可欠です。

リソースの適正化

コスト削減の最も基本的な対策は、無駄なリソースをなくすことです。

  • 使っていないリソースの削除: 開発・検証後に停止し忘れた仮想マシン(VM)や、不要になったディスク、スナップショットなどを定期的に棚卸しし、完全に削除します。
  • オートスケーリングの活用: トラフィックの変動に合わせてVMの台数を自動で増減させるオートスケーリング機能を活用し、ピーク時以外はリソースを最小限に抑えます。
  • 適切なインスタンスタイプの選択: ワークロードに最適なインスタンスタイプ(例:メモリ最適化、コンピュート最適化)を選択し、性能を維持しつつコスト効率を最大化します。

データライフサイクル管理

データが時間経過とともにアクセス頻度が下がることを考慮し、ストレージクラスを使い分けることでコストを削減できます。

  • Cloud Storageのストレージクラスの使い分け:
    Standard: アクセス頻度の高いデータ。
    Nearline: 月に1回程度のアクセスに適したデータ(バックアップなど)。
    Coldline: 3ヶ月に1回程度のアクセスに適したデータ(ディザスタリカバリなど)。
    Archive: 年に1回未満のアクセスに適したデータ(長期保存アーカイブ)。
  • BigQueryの長期保存割引: BigQueryのテーブルを90日間編集または読み取り操作がない場合、自動的にストレージ料金が約半額になる長期保存割引を積極的に活用します。

予算アラートの設定

コストの可視化と予算超過を防ぐ仕組みは必須です。

予算とアラートの設定: Google Cloudの課金設定画面で、月間の予算を設定し、その**予算の50%や90%**に達した時点で管理者や関係者に通知が飛ぶようにアラートを設定します。これにより、予期せぬコスト増をいち早く検知し、対応することができます。

FinOpsの考え方を取り入れる

FinOps(Financial Operations)とは、開発・運用・財務の各チームが連携し、クラウドのコスト効率を継続的に改善していく文化とプラクティスのことです。

組織的なレビュー: 定期的にコストレポートをチーム間で共有し、コスト最適化に関するアイデアや成功事例を共有する仕組みを作ります。にかかるコストを見積もっておくことをおすすめします。

  • タグ付けの徹底: どのリソースがどのプロジェクトや部門に属するかを明確にするために、リソースへのタグ付け(ラベル付け)を徹底し、コストの透明性を高めます。
  • 組織的なレビュー: 定期的にコストレポートをチーム間で共有し、コスト最適化に関するアイデアや成功事例を共有する仕組みを作ります。

まとめ:賢くGoogle Cloud を使いこなすために

Google Cloud を最大限に活用し、ビジネスの成長に繋げるためには、正確な料金見積もりと継続的なコスト最適化が不可欠です。
本記事でご紹介した「3ステップ」を実践し、公式料金計算ツールを駆使することで、Google Cloudのコストを事前に把握できます。さらに、CUDの活用、リソースの適正化、ストレージクラスの使い分けといったヒントを取り入れれば、コスト効率を大幅に向上させることができるでしょう。